平成が終わりを迎えようとするある春の日、病床にふせる老婦人(吉行和子)は、恵美(飯豊まりえ)、真一(高田翔)ら4人の孫を呼び、自分の両親と兄弟について話し始める。70年以上前に老婦人が育った、「他の家族とは違う」という家族とは——。 昭和12年、大阪。鈴木重三郎(井ノ原快彥)は、大阪理科大學(xué)の助教授で、植物研究者。結(jié)婚して10年となる明るく優(yōu)しい妻?誠(chéng)子(上戸彩)とは子寶に恵まれなかったが、重三郎はそれを受け入れ、夫婦仲良く暮らしていた。しかし、誠(chéng)子の「母親になりたい」という思いは消えることはなく、重三郎の姉?大沢徳子(真飛聖)の息子で、満州に赴任する大沢和也(白洲迅)の送別會(huì)をきっかけに、あらためて子供への思いを強(qiáng)くする。 數(shù)日後、間宮君子(麻生祐未)が営む孤児院の庭で遊ぶ子供の姿を見(jiàn)た誠(chéng)子は、重三郎に孤児を引き取りたいと相談する。はじめは子供を育...